奥田英朗の『家日和』読みました!

『家日和』感想の二記事目です。前記事は

こちら→奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

 

さて、また前回の続きで、あらすじと感想を書いていきますよ~!! 

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

  • 作者: 奥田英朗
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: 文庫
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今回は「家においでよ」「グレープフルーツモンスター」です。

 

以下、ネタバレありです

 

「家においでよ」

一言で言うと:妻が出ていき一人暮らしになった男性が、秘密基地づくりにハマる話

 

あらすじ

妻と別居することになった男性が主人公。家具にこだわりなどない、と思っていたが、妻が家具をすべて引き払ってしまい、自分でそろえざるを得なくなる。しかし、そろえるうちに、だんだんと昔の趣味を思い出し、自分の「こだわりの品」を集めた部屋になっていく。そんな中で、同僚も家にくるようになり、家がだんだんと「男の隠れ家」化していく。

 

感想

いいですよね~、自分の趣味を集めた秘密基地。

男のロマン、って感じがします。私は女なので、男性ほど秘密基地の響きにロマンを感じてないのでしょうが、やはり燃えるものがあります。

 

奥田英朗の作品内ではたくさん胸に「スッ」と入ってくる表現があって好きです。この作品の冒頭、

「妻の仁美が家を出たら、部屋が水を抜いたプールのように広くなった」

とか。水を抜いたプールのもの悲しさは言うまでもないですが、それを味気ない部屋の比喩として使う「スッ」とくる感じがイイんですよね(表現フェチ)。

ここでいう「スッ」っていうのは、自分の中に違和感なく入ってくる、という意味です。

 

あと、好きだったセリフは、同僚の酒井が言う「巣作りは女のアイデンティティ」って一言ですかね。

このセリフに関しては、作者の「ちょっとハッとさせてやろう」という意図が伝わってきます(笑)

酒井は主人公の家の居心地の良さに居ついちゃう同僚なんですが、浮気もしてないのに妻になんとなく後ろめたい気持ちを持っていた。

その理由を「自分の家より同僚の家のほうが居心地がいいなんて、女房族にとっては屈辱的なことだろう」から、と語ります。

確かに、自分が妻の立場で、旦那が家にも帰ってこないで、仲良しの同僚の家でめっちゃ遊んでるってなったら……嫌……か……?

安価なのだし、それが楽しいなら存分に遊んでくれと思う気もします。

微妙なラインですが、内緒にされてたら「なんかやましいんだな」って勘違いしそうなので、そんな理由で家を空けても怒らないんだから、報告だけしてくださいよぉ~とは思いますね。

ただ、嫌な人はたくさんいると思うし、なんなら私も相手が「家族」や「夫」になった瞬間に嫌だと思うのかもしれません。

共感はできないセリフでしたが、言葉の「ハッとさせてやろう」という感じがなんとなく好きでした(笑)

 

女子大生のひとこと

趣味のための部屋。女は生活重視なので、ない感覚なのかも。趣味のための部屋、カッコエエと思います。

 

 

 

グレープフルーツモンスター

一言で言うと:主婦が内職斡旋会社の若い担当の変な夢を見る話

 

あらすじ

手紙の宛名打ち込みの内職をしている主婦。ある日、家に仕事を届けてくれる担当者が、若い男に変わる。その男はろくな営業マンではなさそうである。帰り際に靴べらを落とし、その男と同時に拾おうとして、手が触れ、頭もぶつかった。柑橘系のフレグランスの香りがした。その夜彼女は、グレープフルーツの怪物に襲われる夢を見て…。

 

感想

男性が書く女性が主人公の(特に性的な表現がある)小説ってなんか、毎回「コイツ男やん???この女の主人公、男やん?????」って思うような場合が多いんですけど、そういう感じは抱きませんでした。

 

男臭い小説ってありますよね、金城一紀「GO」とか、同じ奥田英朗の作品でも、「サウスバウンド」とかは結構男っぽい感じがしました。

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」とかもそうですね、名前がめちゃめちゃ女っぽいので、女性作家の作品かと思ったら、中身が明らかに女性の文じゃなくて驚いた覚えがあります。

女性目線の文章が上手な作家さんもたくさんいますよね。太宰治とか(急に古い)。近代の作家さんは女性をよく見てるな……と思うような作品を書いてるイメージがあります。むしろ現代の作家さんでいまいち思いつかなくて、読書不足を思い知っています……。

 

男性的な文章を書くのがすごく上手だなーって思った女性作家の作品は、桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とかですかね?百合なだけか?

 

変な夢を見るという題材なのは男っぽいな!とは思います。なんとなくですが、性=夢というイメージで書いてある女性作家の作品をあまり読んだことがないので。

 

結構過激な表現があるのですが、男性的な(偏見)押し付けがましさがなくて、女子大生でも不快感なく読めました!

女って本当はこうなんだろーう???ヘヘヘッみたいな(映画作品で言うと園子温監督作品的な)表現は、結末の「道は踏み外さない」ってところで裏切られます。

家庭や現実を壊すほどの熱量じゃなければ止まる、というのが女性的に感じました。

 

女子大生のひとこと

男性作家ならではな切り口なのにイヤじゃないのマジですごい。

 

 

 

 

以上、『家日和』のなかの二編、あらすじと感想を書きました!

六編中の三、四編目にあたる作品なので、間に挟まっているからか、すこしディープな内容だと感じました。

 

途中脱線して、男目線女目線、みたいな話になってしまい、なぞに触れている作品が増えてしまいました。

 

紹介しているのは映像化されていたりするほどの有名作品が多いので、興味がある方はぜひ!

 

次の記事更新しました!『家日和』読了です!

よかったらぜひ。

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた←イマココ

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた


 

 

 

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