■1 問題が解けない 行政法を勉強したい。さて、何を勉強すればいいのだろう。
ただ教えられるがままに、予備校などから出版された書籍を読み、インプットとする。アウトプットとして過去問を解く。
解けない。
では、先ずはアウトプット強化として過去10年分くらいの過去問を解きまくる。過去問10年分くらいであれば、およそ解けるようになる。模試等を受ける。
解けない。
このノートを描いているのは、そういう悩みを抱えた者のまとめの一部です。

過去問は解けるようになった。予備校が出版している市販の基本書については理解もした。でも新しい解けない。
これは何かが根本的に欠けているはずだ、と思い勉強方法を大きく変えました。
結果その選択は正しかったと思います。
原則、市販の教科書で学ぶには、以下3点を念頭に置く必要があります。・情報量が足りません。加えて、どのように学ぶべきかという視点が足りません。唯一少し評価すべきは、過去問を解く為の解法や条文ごとの比較の視点には少し長けている場合があります。
また、その理由は明確で、予備校出版の市販教科書作成においては以下のような背景があるからです。・紙面の関係で載せられる情報が限られている・過去問を解く為の情報を掲載する視点で作られる・解くために必要な情報とコツについては割と洗練される・学者さんの視点を盛り込むことは誤解や過不足が生まれやすい(リスクがある)

■2 行政法の勉強方法1での問題点を解決する勉強方法を採る必要があります。
すなわち、A:不足ない範囲を学ぶB:学ぶ上での視点を知るC:解法のコツを体得する上記ABCが勉強方法の基本です。
まず以て最も重要なことは、行政書士にせよ、他の国家資格にせよですが、問題を作成するのは予備校の先生ではなく、学者の先生方です。ですから、学者の先生が「行政法」として取り上げる分野、内容が、学ぶべき範囲となります。予備校の講師が取り扱うのは、出題後の問題の分析である事が多いです。ですから、取り扱う範囲が圧倒的に狭い(あるいは狭く感じます)です。
また、行政法においては以下のように告知されています。行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)
行政法を理解するには、先ず、行政法の一般的な法理論とはなにか、を知る必要があります。また、行審法、行訴法、国賠法において単にこれらの条文を読めばいいのか、というと必ずしもそうではなく、それら条文の問題点、法令間の比較、そして問題となる判例の理解が非常に重要です。

それらを網羅するのが学者さんを著書とする基本書です。

基本書においては、上記Aがおよそ網羅され、各テーマごとの注意すべき視点であるBが記載されています。学者さんの基本書では、取り扱うべきテーマの分析、分類、視点の提起、解決策の提起、他意見との比較などを行います。
当然、叙述意図によって冊数や視点が少々異なりますが、いわゆる基本書として大別されている中での比較であれば、およそ基本としての共通項が類似します。

上記のような理由から、基本書の目次を見ることで、学ぶべき事項がある程度見えます。
例えば以下3書籍の目次を例示しますと、およそ何が語られ、どのような範囲を学ぶべきか一目できます。※ネットから拾えるレベルの目次なので、詳細さにばらつきがあります。
■櫻井・橋本/行政法第1章 行政法の基本構造第2章 法律による行政の原理第3章 行政法の一般原則第4章 行政上の法律関係第5章 行政組織法第6章 行政立法・行政準則第7章 行政行為第8章 行政裁量第9章 行政契約第10章 行政指導第11章 行政計画第12章 行政調査第13章 行政上の義務履行確保第14章 行政罰第15章 行政手続第16章 情報公開・個人情報保護第17章 行政上の救済手続第18章 行政事件訴訟法概観第19章 取消訴訟(その1)―訴訟要件第20章 取消訴訟(その2)―審理・判決・執行停止・教示第21章 取消訴訟以外の抗告訴訟第22章 当事者訴訟・争点訴訟第23章 国家賠償第24章 損失補償
■LEGAL QUEST第1章 行政法の基礎 第1節 行政法とは 第2節 行政法の基本原理第2章 行政の作用 第1節 序説 第2節 行政基準 第3節 行政行為 第4節 行政契約 第5節 行政指導 第6節 行政計画第3章 行政の手段・制度 第1節 行政調査・情報収集制度 第2節 情報の管理・公開・保護制度 第3節 義務履行確保制度 第4節 即時強制第4章 行政争訟 第1節 行政過程における争訟 第2節 行政訴訟第5章 国家補償 第1節 国家補償の意義 第2節 国家賠償 第3節 損失補償 第4節 国家補償の問題領域と課題
■宇賀 克也/行政法第1章 行政法の基礎理論 第2章 行政活動における法的仕組み 第3章 行政組織法総論 第4章 行政情報の収集・管理・利用 第5章 行政上の義務の実効性確保 第6章 行政の行為形式 第7章 行政手続 第8章 行政上の不服申立て 第9章 行政訴訟 第10章 国家補償法 
上記目次を参考に、学ぶべきポイントを捉え、読み込むことで学者さんが持っている視点を知ることが可能です。
そして、問題の多くは、その視点であり、いわゆる問題意識を元に作成されることが多く、視点を知ることで、根本の理解と繋がり、持てる知識が、未知の問題へ解答も可能なものとなるのです。

C:解法のコツを体得するこちらについては、学者さんより予備校講師が圧倒的に強いです。どのように暗記すれば問題が解けるか。過去どのような問題が頻出し、既出で、未出か。これら分析をベースに丸暗記しておくべき事項、深く勉強すべき事項を選択します。
勉強は繰り返しが基本。特に資格試験においては、顕著です。
理解は基本書で。少々遠回りに思えますが、膨大な知識を整理するためには、基本書を一通り理解することが急がば回れ、圧倒的に効率的です。
何を暗記するか、繰り返すかは予備校講師の指南にて。ただ、予備校講師といっても質が明らかにばらつきますから、誰の言っていることを暗記し、繰り返すかは非常に注意が必要です。間違ったことを暗記して、繰り返してしまうと目も当てられませんから・・・。

独学の場合は、理解と集約記憶を分けると良いです。理解は学者さんの基本書、集約記憶をどこか予備校のツールに頼る。
予備校での勉強においては、賛否両論ありますが、学者さんの基本書を深く理解し解説できるレベルの先生を選び、集約記憶をその先生の方法論に頼る。

上記が良いかと思います。

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  • 民法の目次学習について